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現在、発展途上国の域を脱したフィリピンでありますが、現実には以前にも増して貧富の差が日々増大しています。そのため、貧困層においてはそのスパイラルが急速化しているといえます。そこでフィリピンにおける貧困の構造を考えた時、貧困の現象面を見ているだけではこの問題は解決できないと思います。我々A.S.I.A. NIPPONとしては、フィリピン国における教育の充実こそが貧困の撲滅につながると考えています。しかし、ユネスコの発表する統計によると、初等教育の就学率は100%に達し、就学前教育および初等教育への支出も教育費全体の50%を越えています。すなわち、この数値を見ると充実した教育行政が遂行されていると考えられます。しかし、現実は必ずしも統計どおりのものではありません。とりわけ貧困地域で暮らす子どもたちは、十分な教育を受ける機会などないに等しいといえます。また、貧困地域のみならずフィリピンの抱える深刻な教育問題としては、Lack of 3T(Text book, Teacher,
Teaching roomの不足)といわれる問題があります。
そこでA.S.I.A. NIPPONとしては、この問題について長年にわたり考えてきました。その結果CIWEST財団の実施しているデイケアセンター(幼稚園兼他目的ホール)建設事業に2000年より協力し、2005年4月までにルソン島リサール州、バタンガス州、パナイ島アクラン州に合計7棟を完成しました。この事業はフィリピンの子どもたちに対して、充実した就学前教育(基礎教育)の「場」と「機会」を提供しているものであります。また地域住民に対しては、建設への参加活動を推進することによって、地域教育力の向上を図ることを目的としています。さらに新たな教育事業として、バタンガス州においてCIWEST財団の実施する小学校建設事業にも協力したいと考えています。
また日本国内では、日本の高校生を対象とした「スタディーツアー」を、2005年までに5回実施してきました。これはフィリピンの様々なフィールドを利用して、多くの経験と学習を通し、自己および日本と国際社会を見つめる活動となっています。その結果、昨年度卒業した子どもの中には、「スタディツアー」を通して発見した様々な国際問題についての解決策を見い出すべく、教育分野、医療分野、日本文化研究分野へと進学しました。彼らは将来、国際世界の舞台で働きたいとの夢を実現させるために現在も継続した活動をしています。
さらに今後は医療分野にも活動を広げ、地域医療の充実を図るための技術や機材の提供を考えています。また地域住民の経済力を向上させるため、フェアー・トレードの推進事業を展開することも目標に掲げています。
A.S.I.A. NIPPONとしては、事業が単なる「場」と「機会」を提供するだけのものにならないために、両国の子どもたちにとってより効果的な学習へと発展させることが大切であると考えます。日本国内でのこの活動は、日本の青少年を対象に、日本社会および国際社会において必要とされ、貢献することのできる人材の育成をめざしています。また真実の目と判断力を養うための学習の機会を作っています。このことは本来ならば公教育の場において成されなければならない教育活動であります。しかし、戦後日本の学校教育は、画一化・硬直化・閉鎖的な体質から、自主性・自律性を失った子どもたちを作り上げてしまい、その結果社会変化に対応することができない人材を育成し、現在の日本社会では約40万人におよぶNEETなどが問題となっています。それに対し日本社会はグローバリズム化の流れの中、国際社会の問題に正面から向き合う積極的な意識と高度な知識を持った人材の育成が必要とされています。外国人登録者も約200万人に達した現在、「内なる国際化」が進行している現実に目を向け、排除・差別するのではなく彼らと共に生活していく社会の必要性が指摘されています。以上のことから本活動では知識の量のみを重視した学習ではなく、現実を多角的な側面から見つめ、体験を通して学習することを基本とします。
さらにこの活動を将来的にはフィリピンのみならず、アジア各国の子どもたちへの教育の「場」の提供とネットワークの構築をめざしています。
また、インターネット環境を整備することによって他団体との情報交換と協力関係を密にしながら、教育・医療・経済・文化等における国際理解・国際協力・国際援助等の活動を積極的に実施していきたいと思っています。
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